内子の小学校でいじめ問題 「対応ずさん」と提訴
愛媛県内子町の小学校に通う男子児童が2013年からの数年間のいじめなどで体調を崩し、転校を余儀なくされていたことが10日、愛媛新聞の取材で分かった。転校前の小学校の校長は「町教育委員会と協議し対応を考えたい。いじめとして捉え、できることは精いっぱいやってきた」としている。
児童側は10日までに、再発防止を約束しながら適切な対処を行わずいじめが続き精神的苦痛を受けたなどとして、転校前の小学校の校長と教頭にそれぞれ50万円の損害賠償を求め大洲簡裁に提訴した。
訴状によると、児童は同じ登校班のメンバーらから暴力や暴言を受け、首と胴体がばらばらの人形と家庭ごみが入った封書を送られるなどしていた。相談に対して校長は再三「きちんと対応する」と約束したが、町教委にずさんな報告書を提出するなど真相を解明しようとせず、いじめは続いたという。
15年12月には校長が「(加害児童の親に)これ以上言えない」と発言。3月にはいじめを公表すると言いながら「事実確認できない」「子どもが必ずしも正しいことを言っているわけじゃない」と翻意するなど、児童はいじめと学校対応に絶望し、不眠などの心因反応を発症し、不登校になって転校を余儀なくされたと主張している。
町の井上淳一教育長は「訴状を見ておらずコメントできない」としている。